(終了)ランデモア「オープン・デモクラシー」論にふれる

欧州各国の「緑の党」関係者らによる『グリーン・ヨーロピアン・ジャーナル』という雑誌があり、その最新号が「民主主義は続く?:権力と代表を考える」という特集を組んでいます。
イラストなど、とってもかわいいつくりで、目次を眺めるだけでも楽しいものとなっています。
(以下から丸ごとダウンロードできます)
https://www.greeneuropeanjournal.eu/edition/democracy-ever-after-perspectives-on-power-and-representation/

興味深い記事がたくさんあるのですが、その中に、エレーヌ・ランデモアのインタビュー記事があります。
(ブラウザ上で全文読むこともできますし、この記事だけ単独でダウンロードすることもできます)
https://www.greeneuropeanjournal.eu/no-time-for-castles-from-closed-to-open-democracy/

ランデモアは、いま最も注目される政治理論家の一人で、昨年出版された『オープン・デモクラシー(未邦訳)』は、「少なくとも当面の民主主義理論における、最も重要な参照項の一つになる」(田村哲樹・名古屋大学教授)とも評される、重要な一冊です。

彼女の2018年の論文「直接投票は単なる直接投票ではない(未邦訳)」に、私は、大きな影響を受けています。
同論文の中で展開されている「一般投票プロセス」論(直接投票を、投票の瞬間以外の、事前の複数の段階―たとえば、投票を求める署名収集の段階など―を経て最終的に投票に至る、多段階のプロセスとして考察する議論)は、県議会での意見陳述にも反映されています(「プロセスとしての県民投票」論)。

また、同論文の「署名収集のキャンペーンを開始し、特定の問題を他の一般市民にとって重要なものにすることによってプロセスを開始した少数派のメンバーは、より大きなコミュニティを代表して発言し、行動する役割を自ら選択する『市民代表』としての資格がある」との一節は、議員=選挙代表と対峙する上での、大きな心の支えとなりました。

ともあれ、そんなランデモアのインタビュー記事が、web上で気軽に読めるわけです。
デモクラシーに関する議論だけではなく、気候変動対策にも関連する内容となっていますので、VOICE and VOTEの読書会に参加された方の多くにお楽しみいただけるのではないかと思い、読書会を開催したいと思います。

ブラウザ上に全文が掲載されていますので、翻訳サイトで概要をつかむことができますし、拙いものではありますが、当方の試訳を対照させながら読んでいきますので、語学力は問いません。
パラグラフごとに、内容や表現、文法や語彙など、疑問点をみんなで検討しながら進めていきます。
興味・関心がございましたら、お気軽にご参加ください。

■テキスト:
 Hélène Landemore, No Time for Castles: From Closed to Open Democracy
 https://www.greeneuropeanjournal.eu/no-time-for-castles-from-closed-to-open-democracy/

■日時:
 8月24日(火)・27日(金)・30日(月)の全3回、いずれも21:00~22:30
 できれば全3回ご参加いただけることが望ましいですが、部分参加も可能です。

■場所:
 オンライン(zoom)
 お申し込みの方に、ミーティングIDとパスコードをお送りします。

■参加費:
 無料

■お申し込み:
 メールでお申し込みください。
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