VOICE and VOTEは、「デモクラシーのバージョンアップ」を後押しする市民シンクタンクです。

デモクラシー(民主主義)はしばしば〈議会〉や〈選挙〉、そして〈多数決〉と同一視されますが、私たちはそのようには捉えません。
議会の外にも多様な〈参加〉の形はあり、代表を選ぶ方法には〈抽選〉もあります。そして、多数決にはそれに先立つ〈熟議〉が不可欠です。

人々が声をあげ、ともに話しあうこと(=VOICE)。
等しく票を投じ、みんなで決めること(=VOTE)。
「別のやり方」を探し、形にしていく旅を、私たちは歩んでいきます。

目指す社会

「デモクラシーがバージョンアップされた」社会の姿を、VOICE and VOTEでは次のように描いています。

市民の〈対話〉と〈熟議〉を基盤とする社会

視点を交換しあい、探究や発見をめざす対話(dialogue)。
理由を検討しあい、決定や合意をめざす熟議(deliberation)。
これらの話しあいが、政策形成や課題解決のベースとなる社会を、私たちは構想しています。

〈包摂性〉と〈持続可能性〉を重視する社会

空間軸における、多様性と包摂性(diversity and inclusion)。
時間軸における、将来世代に向けた持続可能性(sustainability)。
これらの価値観が、政策形成や課題解決において大切にされる社会を、私たちは構想しています。

主な活動

VOICE and VOTEは、以下3点を中心に活動を展開しています。

気候市民会議に関する研究・提言

気候市民会議(Climate Citizens’ Assembly)とは、抽選で「社会の縮図」をつくり、気候変動対策を熟議して自治体等に提言を行うもので、欧州を中心に広がっています。
VOICE and VOTEは、この気候市民会議を身近な自治体等で実施することを当面の目標とし、そのための調査・研究・提言を行っています。

ソーシャル・ファシリテーションの普及・実践

社会的課題に取り組む場において、人と人との〈つながり〉や〈かかわり〉を後押しすることを「ソーシャル・ファシリテーション」と呼びます。
VOICE and VOTEは、特に「対話と熟議の場をつくり、育むこと」に焦点を当て、その手法を学ぶ場を設けるとともに、積極的に実践しています。

「デモクラシーのバージョンアップ」に関する学習

抽選制議会、参加型予算、そしてさまざまなオンライン・プラットフォームの活用…。「デモクラシーのバージョンアップ」のルートは多様です。
VOICE and VOTEは、オンライン読書会やSNSでの情報発信を通じて、これらの学びを深めています。

発足の経緯

2019年3月、東海第二発電所(茨城県東海村)の再稼働の賛否に関する県民投票を実現することを目的に、「いばらき原発県民投票の会」が発足しました(共同代表:鵜沢恵一・姜咲知子・徳田太郎)。
2020年4月、県民投票の会は県民投票条例の制定を茨城県知事に直接請求しましたが、同年6月、条例案は茨城県議会で否決されました。
同年8月、姜咲知子と徳田太郎が県民投票の会の共同代表を退任し、翌9月、県民投票の会でともにオンライン・イベントの企画・運営を担っていた平方亜弥子を加えた3名で「VOICE and VOTE」を発足しました。
その後、2022年3月までに、オンライン読書会(9シリーズ・全50回)、オンライン・イベント(8シリーズ・全12回)、対面イベント(全2回)を実施しつつ、活動のあり方を模索しました。
2022年4月、「ウニベルシタスつくば」と合併し、本格的な活動を開始しました。

代表者プロフィール

徳田太郎(TOKUDA Taro)
Photo by 佐藤 慧(Dialogue for People)

1972年、茨城県生まれ。法政大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学、修士(公共政策学)。
2003年にファシリテーターとして独立、地域づくりや市民活動、医療や福祉などの領域を中心に活動を続ける。
NPO法人日本ファシリテーション協会では事務局長、会長、災害復興支援室長を経て現在はフェロー。その他、茨城NPOセンター・コモンズ理事、いばらき原発県民投票の会共同代表などを歴任。
現在、法政大学大学院・法政大学兼任講師、東邦大学・文京学院大学非常勤講師、Be-Nature Schoolファシリテーション講座講師などを務める。
主な著書に『ソーシャル・ファシリテーション:「ともに社会をつくる関係」を育む技法』(鈴木まり子との共著、北樹出版、2021年)、『いばらき原発県民投票:議会審議を検証する』(佐藤嘉幸との共編著、読書人、2021年)。
主な論文に「アイルランドの憲法改正における熟議と直接投票(上・下)」(『法學志林』118巻3号・4号)、「対話/熟議の場を生成するファシリテーション」(『総合人間学』14号)。

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